YDNインフィード広告の三大運用ポイント

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2015年09月29日 

2015年4月1日から順次スマートフォン版Yahoo! JAPANトップページおよびYahoo! JAPANアプリ(Android版・iOS版の両方に対応)のトップページがタイムライン型に変更になった。続く5月20日には任意での新旧UI(ユーザーインタフェース)の切り替え可能期間が終了し、全ユーザーに対して自動的に新UIへ完全切り替えが適用された。それに伴い、YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)は新広告掲載方式であるインフィード広告の配信を開始した。

鳴り物入りでスタートしたインフィード広告だが、タイムライン型掲載面という掲載方式の性質ゆえに、従来のYDNをメインに出稿していたマーケティング・プロモーション担当者からその運用方法への戸惑いを耳にすることも多い。しかし、インフィード広告は上手く活用すればCTR(Click Through Rate:クリック率)やCVR(Conversion Rate:コンバージョンレート)の数値の改善が見込める。

インフィード広告は、これまでのYDNと異なりスマホ版Yahoo! JAPANのトップページ(ニュース面も追加。2015年8月時点)に掲載されるため、ヤフーユーザーとの接触頻度が高い広告である。しかも新UI完全切り替えに伴い、配信面の在庫数も豊富なため、IMP(インプレッション)ボリュームが大幅に増加している。その結果、スマートフォンユーザーから注目される確率の高い広告枠となっているので、このコラムをきっかけに広告配信露出の機会を逃していないか振り返り、インフィード広告を有効的に活用していただきたい。

インフィード広告の運用のポイントを紹介するには、まずインフィード広告の特性を知っておく必要がある。インフィード広告は記事と記事の間に掲載される(図1)。そのため、画像とテキスト広告(タイトル・説明文)を使って広告を記事に溶け込ませる手法が必要だ。ユーザーにストレスを与えないとされる、このネイティブアド的手法はインフィード広告における一般的な手法である。一方で、敢えて広告を記事に溶け込ませずに広告を目立たせる手法もインフィード広告においては有効だ。

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図1
図1:スマートフォン版Yahoo! JAPANトップページ(2015年4月13日時点)

また、広告色の強弱に関わらず、Gunosy、SmartNews、Antennaなどのタイムライン型キュレーションメディア同様、記事コンテンツ間に埋もれず、ユーザーが読みたくなるような有益な情報を盛り込む工夫が重要となる。通常のYDNの広告とは異なった配信手法を考える必要があるので運用に息詰まるケースもあるだろう。

1. インフィード広告の指標
~あなたのインフィード広告、本当に届いている?~

前述のようにインフィード広告はニュース記事の間に広告が差し込まれるタイムライン型の広告枠だ。そのため、従来のYDNのような固定枠への広告掲載とは異なりタイムライン型の記事上に複数の広告枠が存在するので、掲載順位という概念が存在する。掲載順位は入札単価により決まるので、検索連動型広告と同じく平均掲載順位を上位に調整することでクリック率が上がる可能性が高まる。

しかし、スマートフォンの画面上にスクロールなしで表示されるインフィード広告枠数は1枠と限られているため(図1参照)、トップページが表示されてもスマートフォンの画面枠の広告は見られていない可能性がある。クリック率を評価する際に「見られていないからクリックされていない」のか「見られているがクリックされていない」のか、判断がつかないためだ。これは、スクロール表示されなくても1IMPとしてカウントされるためで、クリック率の最大化を目的として運用とする場合は注意したい点である。

インフィード広告の効果を測定する際には、平均掲載順位・インプレッションのみならず、ビューインプレッション(ユーザーの視認領域に広告が表示された際のインプレッション)とビュークリック数(実際に見られた広告に対してどのくらいクリックされているのか)を確認する作業が重要だ。通常のYDNと比べ、平均掲載順位・インプレッション・ビューインプレッション率・ビュークリック率、と見る指標は増えるが、Yahoo! JAPANトップページはユーザーとの接触率の高い配信面なので、ぜひそれらを確認していただきたい。

例えば、図2のように掲載順位は2.0位でインプレッションを10,000獲得していても、実際のビューインプレッションは50に留まっている広告があるとしよう。ビューインプレッション率(ビュー計測対象インプレッション数に対する、ビューインプレッション数の割合)は14%と、掲載順位2位と上位でインプレッションを多く得ていても、実際に見られた回数は少ないことが分かる。

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図2
図2:インフィード広告の配信実績例

そのような場合は入札単価を調整して掲載順位を上げるのも手だが、CTR・CVRをより上昇させるようなクリエイティブが重要になってくる。

2. クリエイティブ最適化のために
~そのクリエイティブ、インフィード広告向き?~

(1)フリークエンシーキャップと高速PDCA設計

インフィード広告は在庫数が多く、またYahoo! JAPANトップページとニュース面に掲載されるため視認性が高く、フリークエンシー(ユーザー1人あたりの接触頻度)が上がりやすい。そのため、ユーザーに飽きさせない希少性を出すためにフリークエンシーキャップ(個別のユーザーに対する広告表示回数を制限する)の設定を勧める。また、複数のクリエイティブでPDCAを速く回すよう設計することで、短期間で結果の検証ができるようにしよう。

インフィード広告の広告フォーマットは、画像・タイトル・説明文の3つの要素で構成される。従来のYDNのような、画像のみ、テキストのみといったフォーマットと異なるため、自由度の高い組み合わせで、複数のクリエイティブを検証することが可能だ。

(2)最適化配信(レスポンシブ)に注意

インフィード広告の画像サイズは、300ピクセル×300ピクセルと1200ピクセル×628ピクセルの2種類あり、配信の際には効果が高いクリエイティブが自動的に最適化される。そのため、配信の機会損失のないように両方のサイズを入稿しておき、掲載確率を上げるようにしたい。また、配信が自動最適化されるため同じ広告が何度も掲載される可能性があるので、前述のフリークエンシーキャップがここでも重要になってくる。

配信の自動最適化のみならず、テキストが最適化されるケースもある。1200ピクセル×628ピクセルの広告サイズで入稿している場合、説明文が最適化により省略される場合があるのだ。よって、掲載が保障されている先頭から38文字までに重要な要素を盛り込み、残りの文字の部分(全文表示される場合90字が上限なので、残り52文字)に補足情報を記載しよう。あるいは、わざと文章を完結させず、続きを見たくなるようなクリックを誘導させる訴求を展開するのも効果的な手法である。そして、必ず表示されるタイトル部分に関しては、メリット感のある具体的な数値や、目に止まりやすいように短い文節を使用するなど、工夫が必要だ。

例えば、人材募集系の広告においては、90字分の広告説明文は「お金がピンチ!時給1200円、日給1万円以上の単発バイトなら●●●。今だけ期間限定、夏イベントの高収入バイトがいっぱい。バイト仲間が作れる。」と設定する。すると、テキストが最適化されて広告文が38文字掲載に短縮されたとしても「お金がピンチ!時給1200円、日給1万円以上の単発バイトなら●●●。今だけ期間限定...」と見せたい要素はカットされずに広告を掲載できる。このようにクリエイティブの工夫を行うことで、CTR・CVRの改善が見込める(図3参照)。

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図3
図3:テキスト最適化例

(3)「あなたへのおすすめ」枠掲載を考慮

インフィード広告は、スマートフォン版Yahoo! JAPANトップページ直下の、「あなたへのおすすめ」枠(図4参照)に掲載される可能性も考慮に入れたクリエイティブである必要性がある。「あなたへのおすすめ」枠では、ユーザーのページ閲覧履歴等をもとに興味に合った記事が最適化され配信される。

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図4
図4:スマホ版Yahoo! JAPANトップページ「あなたへのおすすめ」枠(2015年8月6日時点)

「あなたへのおすすめ」枠への掲載は、入稿しているインフィード広告のうちどの広告が掲載されるか広告主サイドでは調整ができない。そのため、入稿しているインフィード広告のうち、「あなたへのおすすめ」枠内の記事コンテンツに馴染むような広告色を軽減した広告と、広告色を強く打ち出した広告の2種を用意することが得策だ。その手法により、広告色の薄い広告の場合は新規ユーザーへの認知・集客が可能となり、広告色の強い広告が掲載された場合は商材に関心のある見込み顧客の獲得が期待できる。

インフィード広告はIMPを稼ぐことは比較的容易な広告掲載方式であるが、広告色の強い・弱いクリエイティブの制作と同時にターゲティングを併用することで、更なるCTR・CVR上昇を狙える。

3. ターゲティングとの併用
~そのインフィード広告は誰に見てほしい?~

YDNでは、ほかのキュレーションメディアではできないターゲティング設定により、効率的にユーザーへリーチすることができ、それはインフィード広告においても同様だ(図5参照)。

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図5
図5:インフィード広告における可能なターゲティング一覧(2015年8月時点)

自社Webサイト訪問ユーザーがYahoo! JAPANトップページに訪れた際に広告表示されるサイトリターゲティングや、特定キーワードでの検索履歴があるユーザーがYahoo! JAPANトップページに訪れた際に広告表示されるサーチターゲティングとの掛け合わせを行うことで、最適なターゲット層にアプローチでき獲得効率の改善が見込めるのでぜひ取り入れてほしい。

例えば、転職関連の事業者の場合、自社Webサイトへの訪問ユーザー、または「転職」というキーワードで検索履歴があるユーザーに対し、転職関連の広告を表示させる。それにより、「転職」というモチベーションを持つ顕在化したユーザーに接触することができ、CTR・CVRの双方の上昇を狙うことができる。

以上のように、インフィード広告の指標を見直し、広告レイアウトを最適化し、更にターゲティングを掛け合わせて運用することで、インフィード広告を最大限に活用することが可能だ。スマホ版Yahoo! JAPANトップページとYahoo! JAPANアプリのトップページのタイムライン型UIへの変更、またYahoo!ニュースへの広告掲載枠拡大に伴い、YDNの掲載枠数は益々増加している。更に、インフィード広告のその特性から通常のターゲティングよりも高いクリック率が期待できる。ここまで述べてきた運用ポイントをもとに、インフィード広告に思い惑うことなく広告配信を見直してみてはいかがだろうか。

執筆:株式会社アイレップ エージェンシートレーディングデスク本部 小金莉冬

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