動画SEO対策、今できること、できないこと

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2007年11月21日 αSEOオリジナル記事

You Tubeの隆盛によりネット動画が注目を浴びていますが、それに伴い検索エンジン各社が用意している「動画検索」も徐々に利用されるようになってきました。「動画検索」は、Yahoo!やgoo、Ask.jpなどで検索窓にキーワードを入れ、動画検索ボタンをクリックして利用することもできますし、また検索結果画面の「動画」のタブからも利用することができます。また、わざわざ動画検索ボタンや、動画のタブをクリックしなくても、通常のWeb検索の結果に表示されることもあります。下図はGoogleの検索結果画面ですが、スクリーンショット付きで動画ファイルが表示され、検索結果画面上で動画ファイルを再生することもできます。

ネコ鍋の検索結果
■Googleの検索結果。キーワードによっては動画がサムネイル付きで検索結果に表示され、その場で動画再生もできる。

また、米Googleではユニバーサル検索が採用されています。ユニバーサル検索とは、1度の検索で、情報の種類や情報源を問わず最適な検索結果をすばやく入手できるというもので、検索を利用して動画を探すという行為はますます定着されると考えられます。このような背景のもと動画ファイルに対しSEOを実施する企業ニーズも少しづつ高まってきています。

動画検索の現状

結論から言えば、Web検索ではページのコンテンツを全て解析してキーワードとの関連性を測定しますが、動画検索はほとんどメタ情報だけで関連性を測定しようとするため、そもそも検索キーワードと対象となる動画ファイルをマッチングすることができていません。今の動画検索はまだ発展途上の段階であって、Web検索でいうと1990年代中頃のように未熟です。

Yahoo!動画検索のヘルプには、検索される動画の条件として、以下のような点を挙げられています。

動画のファイル名に検索キーワードが含まれている
ファイルへリンクする文字に検索キーワードが含まれている
サイトのなかで、前後の文章に検索キーワードが含まれている

このように動画のタイトル、説明文、アンカーテキストといった情報を基に検索をするため、キーワードにマッチさせるコンテンツが少ないのです。動画のなかで誰かが話している言葉に対してキーワードマッチができないので、基本的に動画検索の精度は高くないといえます。もちろんそれがTVドラマや映画のタイトルという程度であれば大丈夫ですが、固有名詞以外はなかなか欲しい情報がヒットしないといった現状です。

また動画検索では、動画コンテンツの順位が再生回数や人気順によって並べ替えができるため、関連度を高めてもユーザが並べ替えをするケースも想定できます。

米国の「blinkx」のように、自動音声認識技術を用いて動画のなかで誰かが会話している言葉の全てをテキストデータに落とし、それをデータベース化する検索エンジンもありますが、それもまだ発展途上の段階といえます。なぜならば、自動音声認識技術が通用するのは、ニュース番組のアナウンサーように特定の人物が継続的に話している場合に限定されるためです。複数の人間が同時に会話しているものについては解析できません。誰がどれを話しているか判断できないとき、二つの音声が被ってしまったときはその技術が使えないのです。

このように検索技術的に見ると、動画検索はWeb検索並みに自分の欲しい情報を探すまでには程遠いといった状況です。

いますぐ行うべきか?動画のSEO対策

また、マーケティング的に見ても(SEMとしてみても)、動画のSEO対策は実施をそれほど急ぐものではないと考えられます。もちろん固有名詞で検索をした場合に、公式の動画がヒットするといった最低限の対策は行っておくべきですが、ウェブ検索で競争率の高いキーワードを今すぐ実施した方がよいかと言えば、それはあまりおすすめしません。

1つ目の理由として、アルゴリズムのロジックが曖昧なため、そもそも何をすれば上位になるかについてのロジックが作れないということが挙げられます。SEOでは検索技術のロジックがある程度確定して初めて、検索順位を上げるロジックを作ることが可能ですが、前述のとおり現状の動画検索のロジックは未熟な部分があり、根本的な部分からアルゴリズムが変更される可能性は十分にあります。そのため、固有名詞であれば自分の狙ったキーワードで検索順位を上げることは可能ですが、それ以外の場合はあまり意味を持たないでしょう。

2つ目の理由として、そもそも現在動画を見る場合、検索から誘導されるケースよりも、話題のCMをブログやソーシャルブックマークによって知り、そこに張ってある直リンクをたどってアクセスすることの方多いことが挙げられます。検索をするとしても、TVドラマや映画のタイトルなどが多いのが現状です。

3つ目の理由として、動画検索により広告主にとってどれだけの利益を生むのか不透明な部分があるということが挙げられます。仮に動画検索をするとしても、その場合は商品購入目的というよりも、暇つぶしやエンターテイメントといった目的で検索をするはずです。動画検索にヒットしたからといって利益に結び付くかは分からないため、効果として期待ができないということです。

動画検索については、ユニバーサル検索を見据えた対応としてブランドキーワードできちんとヒットする状態にしておくことが、当面の企業の課題と言えるでしょう。

株式会社アイレップ SEM総合研究所所長渡辺隆広
ライター=株式会社アイレップ 千葉哲

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