ユーザー動線の変化により対応が迫られるモバイルSEO

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2008年07月04日  Japan.internet.com アイレップのSEMスタンダード

モバイル SEO がマーケティング担当者の話題に上り始めたのは、2006年8月 au に公式ポータルトップへ Google モバイルの検索窓が設置された頃だろう。それまでは、企業のモバイルサイトへの主な動線は、公式サイトが登録されているカテゴリ検索であった。

カテゴリ検索では、その表示順を上げるためにはアクセス数、会員数を増加させ、また流入はトップページからのみを想定していれば良かったが、Google 検索ではその考え方はまるで通用しなくなってしまった。

まず、表示順は Google のアルゴリズムによって決まる。対ユーザーには理解しやすい構造になっていても、対検索エンジンが理解できる構造になっていなければ、検索の上位には表示されない。

例えばタイトルタグ。対ユーザーを考えれば、お気に入りに登録する際に目にする程度なので、サイト内の全ページ同じタイトルタグであってもさほど悪影響はなかったが、検索エンジンはそうではない。ページの中身に何が書かれているかを判断するための重要な要素としてタイトルタグを見るため、全ページ同じタイトルタグではどのページがどのようなテーマで書かれているか理解することができなくなってしまう。

次に流入経路はトップページだけではなくなった。例えば、「トートバッグ」と検索をすれば Amazon のトートバッグ商品一覧ページが、「財布」と検索をすれば Amazon の財布商品一覧ページが1位に表示され(*)、ヒットしているページはいずれもトップページではない。

トップページのみを入り口と考えて作られたセッション ID を含む複雑な URL 構造のサイトの場合、商品一覧ページ、商品詳細ページまで検索エンジンに読まれていない可能性が高いため、商材名や商品名などの細かなキーワードで検索にヒットすることはないだろう。すなわち、「トートバッグ」「財布」など具体的な商材名や商品名で検索をする購入モチベーションの高い顧客を逃してしまっていることになる。

このような変化に伴い、企業のマーケティング担当者から一番多く耳にしたのが「社名やサイト名で検索をしてもヒットしない」という課題であった。大きく分けると「社名で検索をしても、アフィリエイトサイトや Wiki などが表示され自社がまったく表示されない」というパターンと、「自社サイトがヒットするものの、会社概要や利用規約ページなど想定と異なるページが表示されてしまう」というパターンがある。PC 検索では、このような現象は殆ど起きないが、なぜモバイル検索では起きてしまうのだろうか。

前者のパターンの場合は、企業サイト側がクローラーの訪問をシャットアウトしていたことが原因であることが多い。モバイルサイトの場合、au ユーザーはこのページへ、ドコモユーザーはこのページへ、と振り分けをすることがよくあるが、Google のクローラーが訪問した場合を想定していなかったため、クローラー訪問時にはエラーを返してしまう構造になっている場合があるのだ。「これだけは知っておきたい検索技術」で検索エンジンの仕組みを紹介しているが、クロール→インデックス→クエリープロセスの段階の中でクロールさえされていないことになる。これでは当然検索にはヒットしない。

一方後者の場合、最近は検索エンジン側のアルゴリズムが改良されつつあるためあまり見かけなくなったが、トップページにテキスト量が不足しており、会社概要や利用規約ページに社名の記載が多くあると、このような結果になることがある。

もし現在もこのような結果であるならば、まずは上位にヒットしている会社概要や利用規約ページ内にトップページへ誘導するリンクをわかりやすく設け、対応しておくことが必要だろう。

今回は au の公式サイト検索を中心に執筆したが、2006年8月の au Google 検索窓導入以降、ドコモの iMenu、SoftBank の Yahoo! ケータイにおいても、同様にポータルトップに検索窓が設置され、モバイルサイト訪問動線の中心は検索経由となりつつある。

このように拡大するモバイル検索ユーザーを自社サイトに多く誘導したいのであれば、モバイルサイトの構造を大きく見直す必要があることをご理解いただけただろうか。この機会にモバイル SEO への取り組みを検討してみてはどうだろうか。

(*)2008年7月3日時点での au 公式サイト検索結果

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