Yahoo!とGoogleはどうしてブレンド検索を進めるの?

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2009年02月13日 

2009年最初のαSEOのコラムは、GoogleとYahoo!の検索結果画面に関する特集です。最近の検索結果画面にはテキストリンクだけでなく、画像や動画などのコンテンツも同時に表示されるようになりました。それにはきちんとした理由があるのです。

検索結果画面に様々なコンテンツが混在

2007年5月に、Googleはユニバーサル検索というサービスを発表し、Web検索の結果画面に画像・動画・ニュースなどといったコンテンツを同時に混在表示するようになりました。

その動きから1年半ほど経った現在、Yahoo!もダイレクト検索というサービスのもと、例えば地域関連のクエリが入力されたときに地図を表示させる、「薔薇」と検索したときに画像を表示させる、さらには「ディズニーアンバサダーホテル」と検索すると該当ホテルの場所を示した地図を表示させるといった機能を搭載してきました。従来は10個のテキストリンクを表示するだけであったものが、Web検索の結果画面にも様々なコンテンツを表示するようになってきているのです。

このように検索結果に多種類のコンテンツを複合的に表示する動きは、米Ask.comのAsk3DやYahoo! Glue(インド国内で試験提供)、米Yahoo!のSearchMonkeyなどグローバルな流れになっています。

なぜ検索業界ではこのような動きになってきたのでしょうか。もともと画像や動画というのは、検索エンジンではバーティカル検索(専門検索)として提供されてきました。例えば、Yahoo!やGoogleはこれまで、動画や地図、ニュースといった各々の専門検索は、検索窓の上に設置したタブというUIで提供してきました。

しかし、こうしたUIで実際に必要とする全てのユーザに活用されてきたわけではありません。。検索タブという存在自体は理解していても、ユーザは利用していなかったのです。サーチエンジンウォッチの調査によると、検索タブのクリック率は1%以下というデータもあります。

いまαSEOの記事に目を通しているような人であれば、ニュースを調べたければニュース検索を、特定の場所の周辺を知りたければ地図検索を、画像を確認したければ画像検索をといった具合に、自分が何の情報を求めているのかによって最適な検索サービスを選択し、適切なキーワードを選んで答えを見つけ出せる人も多いでしょう。しかし一方で、世の中には、適切なキーワードがわからない人もいれば、そもそも地図や画像、動画を探し出せる検索サービスが存在することすら知らない人もいます。本来、特定のバーティカル検索を使えば1クリックでたどり着ける情報が、ウェブ検索という入り口を使ってしまうことで目的の情報に到達するのにいくつもの画面をクリックしている人もいるのです。

検索エンジン側は利用者の利便性を高めるために、様々なバーティカル検索を開発・提供してきたものの、一方でユーザはウェブ検索という窓口をいつも利用するために使われない、使い方がわからないという問題も出てきたわけです。さらに、10年前と異なり、様々な形式のデジタルコンテンツがあふれる今日のネット環境において、探索対象のコンテンツの形式によって利用する検索窓の入り口を変えるのも面倒な話です。

そこで、検索エンジン側でユーザの検索意図を把握して適切な情報を提供しようと、それぞれのバーティカル検索の壁を取り払おう(統合しよう)という流れになってきています。

このようにGoogleやYahoo!が提供するサービスでは、地域名が入力されたときには地図を探しているはずと推測し、「薔薇」「クリスマスイルミネーション」のようにキーワードによっては画像を表示したほうがいいと判断した場合には、画像を表示させるのです。

キーワードの意図を検索エンジン側が理解し、適切な情報を提供することによって、ユーザ側も今まで見つけることができなかったコンテンツにアクセスすることが可能となります。同時に、GoogleやYahoo!側でも検索以外にもサービスを提供していることをユーザに認知させ、検索エンジンを永く利用してもらうことができるというわけです。

他にも、ユニバーサル検索やブレンド検索は、検索エンジン側とってメリットがあります。例えば、Yahoo!検索とメールはよく利用しても、飲食店を探すときに「ぐるなび」や「ホットペッパー」を使うという人の場合、検索結果画面にYahoo!グルメの情報を表示させることによって、Yahoo!グルメにユーザを誘導することができるのです。Yahoo!グルメを利用してもらう機会を増やすことができ、そのページに移動してもらうと、そこで広告が表示されるので収益拡大につながるというビジネス的なメリットもあります。

Googleも、検索結果の複合化を推進し、ウェブ検索以外のプロパティも利用・認知してもらうことで、利用者拡大を図り、しいては広告収入を増加させることができます。実際、GoogleはFinanceや地図、イメージ検索などへアドワーズ広告を新規に掲載してきており、広告収入拡大の機会も増やそうとしています。

株式会社アイレップ SEM総合研究所所長渡辺隆広
ライター=株式会社アイレップ 千葉哲

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