【検索エンジン特集】 第2回:Yahoo!検索の新機能「Yahoo!検索プラグイン」 - 検索結果を、より便利なものに (前編)

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2009年12月24日 

聞き手:鈴木綾香(アイレップ 広報)

話し手:渡辺隆広(アイレップ SEM総合研究所 所長)

2009年12月にヤフー株式会社から、「Yahoo!検索プラグイン」という新しい機能が発表されました。これは米国で「サーチモンキー」(SearchMonkey)として提供されていたもので、検索ユーザが目当ての情報を素早く見つけられるように支援する機能です。例えば、飲食店のサイトであれば、検索結果にお店の営業時間や住所、交通手段、料理の写真などを掲載できるのです。今回はこの注目の機能についてお話を伺いました。

先日、藤沢市内の中華料理店を探そうと検索していたら、検索結果に料理の写真や平均予算が表示されているリンクがあることに気がつきました。以前は見かけなかったのですが、これが Yahoo!検索プラグインというものですか?

そうです。Yahoo!検索プラグインは、検索結果に有益で豊かな情報を表示することで、検索ユーザの探索行動を支援するための機能です。具体的には、検索結果の説明文(サマリー)の部分に、レビューの星や数、住所、電話番号、交通手段、値段、平均予算、店舗や商品の写真、etc. など、サイトの内容に応じて様々な情報が表示されるようになります。

便利そうですね。私が見たのは飲食店の口コミ情報サイトだったのですが、これはYahoo!グルメに掲載されているサイトなどが対象ですか?

いいえ。サイト運営者が自ら掲載する情報を、ツール(後述)を使用して反映できます。例えば、同じグルメ口コミサイトでも、「Yahoo!グルメ」はクチコミの星の数と交通手段を表示していますが、「ぐるなび」は住所と平均予算を、「食べログ」は最寄り駅・アクセスを表示しています(画面1)。

画面1

グルメに限らず、どんなサイトでもリッチな情報を掲載できると?

現時点(※ 2009年12月)で、まだ日本ではサイト運営者が自由に情報を掲載できるようになってはいないのですが、2010年春以降は対象ジャンルも広がり、対応サイトも増えていくはずです。

実は米国では2008年春からすでに「Yahoo! SearchMonkey」という名称で提供されているのですが、YouTubeやMySpace Music、eBay、Citisearch、Expedia hotels、Amazonなど様々なサイトが対応しています。

例えば動画を掲載しているページなら、検索結果に再生ボタンをつけたり、新聞記事なら発行日を掲載したり、商品なら値引き価格を掲載するといったことが可能です。

サイト運営者にとっては楽しみな機能ですね。いつから掲載できるようになるのでしょうか?

12月16日に公開されたのは、あらかじめYahoo! JAPANがサイト運営者と協力して設定したサイトに限られています。現時点でYahoo! JAPANのプロパティ以外では、ぐるなび、クックパッド、キッコーマンホームクッキング、食べログなどグルメ・料理系が中心です。Wikipediaも対応済みです。

Yahoo! JAPANによると、2010年春以降に、一般サイト運営者にプラグイン作成用のツールを公開するとのことです。このツールを使って開発を行い、Yahoo!の審査を経て、掲載のための準備が整います。

サイト運営者にとっては、検索結果を通じて自サイトのコンテンツをアピールできる機会になると思うのですが、検索ユーザにとって便利なものなのでしょうか?

はい、目当ての情報に効率よく到達できるようになります。

今日の検索の問題の1つとして、検索キーワードとは適合するが、ユーザの検索目的を満たせないというケースがたびたび発生します。例えば、「商品の価格を調べる」「友人と食事する飲食店を決める」などの目的で検索エンジンを利用した時、次のような経験をしたことがあるのではないでしょうか。

  1. 価格比較サイトらしきリンクをクリックしたが、価格情報が掲載されていない
  2. 商品を購入するつもりで検索していたが、辿ったリンクは商品の詳細情報のみで商品購入はできなかった
  3. 飲食店の評判を調べていてクリックしたら、ブログやRSSによるコピーコンテンツで目当ての情報がなかった

つまり、「DVDを購入する」「飲食店のクチコミを調べる」「化粧品を購入する」といった検索タスクは、そのタスクを達成することが目的であり、単に検索クエリと合致するページを探しているわけではありません。また、手早く必要な情報を入手して、決断をしたいと考えるはずです。

ところが現実には、オンラインの情報量が爆発的に増加し、玉石混淆の中、目当てのページにたどり着くまでに、何度もクリックとブラウザの戻るボタンを押すという繰り返しをしたり、ページのコンテンツの乏しさにがっかりする体験を繰り返さなくてはいけなくなっています。

Yahoo!検索プラグインによって、検索タスクを行うために必要なキーとなる情報が検索結果上で参照できるようになれば、どのリンクをクリックすれば必要な詳細情報が得られるかを早く決められるようになります。

ですから、Yahoo!検索プラグインは、サイト運営者だけでなく、検索ユーザにとっても役立つはずです。

よくわかりました。サイト運営者側の話に戻るのですが、来年以降、この新機能に対応するためには何が必要なのですか?

サイト運営者は、「構造化データ」と「プラグイン」の2つの開発が必要です。構造化データとは、検索結果に表示するデータの源となる情報、プラグインは表示のフォーマットを指定するためのものです。

構造化データとは?

簡単にいうと、機械(クローラ)に意味を伝えるための情報です。例えば、03-5464-3281 という数字を見た時、何となく電話番号だとわかるでしょう。しかし機械にとっては単なる数字の羅列です。そこで、<tel>03-5464-3281</tel>といった具合に定義することで、機械もこの数字の羅列が電話番号だとわかるわけです。

こんな具合で、「レビューの数」「平均予算」「住所」「交通手段」など各種情報を、定められたフォーマットに従って記述します。このように意味づけが行われたデータセットが構造化データです(画面2)。

画面2
キャプション:microformatsによる構造化データを作成。画面は米Yahoo!が提供するサンプル

米Yahoo!は業界標準的なmicroformatsやRDFaをサポートしています。Googleも同じです。

プラグインは、検索結果に表示する条件や、表示する際のレイアウトを制御するためのアプリケーションです。来春公開されるツールで、比較的簡単に作成できるはずです。

細かな仕様は情報の公開待ちですね。

(後編に続く)

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