2009年、検索業界重大ニュースの振り返りと今後の業界予測 (前編)

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2010年01月14日 

変化が激しいといわれる検索業界。とりわけ2009年は、過去10年を遡っても変化の大きい1年だったと言えます。そこで、大きな変化のあった1年の振り返りと今後の業界予測を、「2009年、検索業界重大ニュースの振り返りと今後の業界予測」と題し、前編・中編・後編の3部に分け、SEM総合研究所 所長 渡辺隆広が語ります。

リアルタイム検索への対応を進めた検索エンジン

2009年、Twitterをはじめとしたソーシャルメディアサービスの人気の興隆に端を発し、米国ではGoogle、Yahoo!、Bing共にリアルタイム検索の提供を開始しました。リアルタイム検索とは、TwitterやFacebook、MySpaceなどのソーシャルメディアに投稿されたコンテンツのリアルタイム検索を可能にするサービスです。

尚、米Googleと米Microsoftは2009年10月、Twitterと提携し、同社のデータベースであるTwitterフィードに直接アクセスし、リアルタイムで投稿されたコンテンツのインデックス化を行なっています。その為、両社のリアルタイム検索サービスは「即時性」「網羅性」が高いと言えるでしょう。

各検索エンジンのリアルタイム検索サービスの仕様を説明すると、米Googleでは、検索結果上部にリアルタイム検索の表示エリアを設け、そのエリア内に数秒前に公開されたコンテンツ(呟きやブログ記事、最新のニュース情報など)をリアルタイムに表示します。

表示するコンテンツは基本的に“日付と検索キーワードとのマッチ度”に基づいて決定しています。しかし、この“日付と検索キーワードとのマッチ度”に基づいた仕組みは、時に“価値のない情報”をも表示してしまうため、検索結果がスパムで汚染されてしまう可能性も含んでおります。

一方、米Yahoo!ではこの問題を解決するため、今後、リアルタイムに収集したコンテンツを分析し、そのコンテンツの中で用いられたWebページを表示する事を検討していると報じられています。このような、補足的にリアルタイム検索を活用するアプローチは、検索結果の品質を落とすこと無く、最新の情報を活用できると言えるでしょう。

リアルタイム検索は始まったばかりのサービスのため、未だ課題が多く、技術的なアプローチに対する答えが見えない状況です。しかし、今後、Twitterをはじめとしたソーシャルメディアサービスの興隆と共に、何らかの方向性が確立される事でしょう。

進む自然検索結果のリッチ化

2008年5月、米Yahoo!は構造化データを用いて自然検索結果をより便利にする「SearchMonkey (サーチモンキー)」を発表しました。対して米Googleは約1年後、自然検索結果を拡張する「Rich Snippets (リッチスニペット)」と呼ばれる機能を2009年5月に発表しました。日本においても、11月にGoogleがリッチスニペットの提供を開始し、12月にYahoo! JAPANがサーチモンキーに対応する「Yahoo!検索プラグイン」を公開しました。

リッチスニペットやサーチモンキーは、検索結果に写真や価格、レビューの星の数等の情報を、自然検索結果のサマリ部分に表示する機能です。検索結果を通して、検索ユーザに詳細な情報を提供する事で、検索体験の利便性が向上すると言えます。

では、各機能の対応方法や現時点での注意点を解説します。

■Googleの自然検索結果をリッチ化する「Rich Snippets」

リッチスニペットに対応するためサイト運営者は、価格情報やレビュー情報に対して、MicroformatsやRDFaなどを用いて構造化データを提供する必要があります。

尚、リッチスニペットに表示される項目は、Googleにより決められた形式が表示されます。また、表示の有無については、Googleのランキングアルゴリズムが自動的に判定・決定するため、構造化データの提供により、必ずしも検索結果に情報が表示されるわけではありません。

■Yahoo! JAPANの自然検索結果をリッチ化する「SearchMonkey」

サーチモンキーの対応条件としてサイト運営者は、価格情報やレビュー情報を、MicroformatsやRDFaなどを用いて構造化データを提供し、かつYahoo!が提供するプラグイン開発ツールを用いて、検索プラグインを開発しユーザに提供する必要があります。

検索プラグインについて説明すると、検索ユーザがサイト運営者によって提供されたプラグインを追加する事で、初めて検索結果のサマリ部分がリッチ化されます。このように、検索ユーザにプラグインを追加してもらう必要があるため、リッチ化へのハードルが高いと言えるでしょう。

しかしながら、サーチモンキーの魅力は、前述の対応条件が満たされていれば、自然検索結果に表示される点です。また、Googleのリッチスニペットとは異なり、自然検索結果に表示したい情報をサイト運営者側で指定できる事です。そのため、検索ユーザの検索意図を踏まえ、何を表示すべきかが重要なポイントとなるでしょう。

尚、現段階では構造化データはサーポートされておりません。また、プラグインを開発するためのツールの公開も行っておらず、テスト段階であると言えるでしょう。構造化データのサポート及び開発ツールの公開についてYahoo! JAPANは、2010年春頃に対応予定としています。

自然検索結果のリッチ化は、検索ユーザが求めている情報が探し易くなるため、今後、さらに加速する事が予測されます。今後、ECサイトや価格比較サイト、口コミサイトなどのメディアサイトは、検索エンジンに対し、構造化データの提供が必須になると言えるでしょう。

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以上、前編では「リアルタイム検索」「自然検索結果のリッチ化」について取り上げました。中編では「検索連動型広告のリッチ化」「検索体験の向上を目指す、Googleの取り組み」について取り上げて行きます。

株式会社アイレップ 取締役 SEM 総合研究所 所長 渡辺隆広
ライター=株式会社アイレップ 柴田源樹

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