WOMマーケティングサミット2015 レポート A-1セッション「WOMMAサミット視察報告」

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2015年08月11日 

2015年7月23日、WOMJによる口コミマーケティングの最新事情を報告するサミット、WOMマーケティングサミット(http://womj.jp/)が開催された。

今回はそのプログラムの1つ「WOMMAサミット視察報告」の登壇者のうち、株式会社電通・原健介氏(iPR局 リアルタイムマーケティング部 部長)のプレゼンテーションを紹介する。

2014年11月にシカゴで開催された同サミットに参加した原氏は、参加しての気付きや口コミマーケティングの最新の動向について意見を共有した。

その気付きは主に以下の3点である。

①“Listening”という言葉は語られない
②“You can still dunk in the dark”は二度とない
③ディスプレイ広告はなくなる

● “Listening”という言葉は語られない

原氏は口コミマーケティングの世界ではTwitterやFacebookで自社がどのような評価を受けているかに常に着目しろということはよく言われるが、顧客に耳を傾けることは大前提であり、それは特段語られるようなものではない、と話す。

同氏はその事例としてネスレのバターフィンガーを挙げた。バターフィンガーは100年続いているブランドである。ネスレによる4年間のリスニングの結果、バターフィンガー好きは、何かにちょっと足して食べていることが判明した。

ネスレはそれをヒントに新商品「Butterfinger Peanut Butter Cups」を開発し、その後売上が2倍となる。4年間のリスニングの結果このような施策を打ったわけだが、常に顧客に耳を傾けろというのは基本であり、わざわざ取り上げることではないのである。

● “You can still dunk in the dark”は二度とない

ここで原氏はオレオの事例を用いて上記の言葉の意味を説明した。“Super Bowl”という全米が注目するフットボールの試合の最中に停電がおきた際、オレオが瞬時に打った広告“You can still dunk in the dark”(暗闇でもダンクすることはできる)が多くの人の注目を浴びた。リツイート数は13,000以上にも上った。こうした対応ができた背景は、オレオのブランドチームはあらゆる事態に迅速に対応できるようにオフィスで待機していたからである。そしてSuper Bowlの最中に停電が起きた時、彼らはこれをチャンスと捉え即座に行動を起こした。

同氏は「このオレオの事例のような偶然など滅多にない」などという批判は的外れであると語った。RTM(Real-Time-Marketing)的には、常にデータを見て分析し続けることが大切であり、その過程で遭遇する「予測可能な出来事」「予測不可能な出来事」「大規模」「小規模」等状況に合わせて対応することが重要であると指摘した。

● ディスプレイ広告はなくなる

ここで原氏は、「スポンサードソーシャル(Sponsored Social)」 の概念について説明した。スポンサードソーシャルとは企業やブランドが、ある商品やサービスについてのメッセージをソーシャルメディアを通じて生活者に届けることを目的に、インフルエンサーと協力してマーケティングを行うことである。

たとえばネイティブ広告やコンテンツマーケティング、スポンサードポスト、インフルエンサーマーケティングが含まれる。具体的には、企業がマーケティングの目的やキーメッセージなどの素材情報を提供し、インフルエンサーがそれらの存在を使ってオリジナルのコンテンツを制作し、自身のソーシャルアカウントに投稿するといった方法がある。

今日においては、誰かのコンテンツを通じて広告主の意図が伝わるということが多い。そして、スマートフォンファーストの時代になってくると動画やネイティブ広告がメインになることが予想されるためディスプレイ広告そのものが失われていくのではないかという見解を示した。

他にも3名でのディスカッションにて、日米の口コミマーケティングの捉え方や特徴、リテラシーの違い等が語られた。


執筆:石毛宏美 / 株式会社アイレップ 第1ソリューション統括本部
監修:渡辺隆広 / 株式会社アイレップ SEM総合研究所 所長

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