CMW 2015 新しいカスタマージャーニー:なぜコンテンツが消費者とブランドとの出会い、エンゲージメント、再訪確率を決めるのか

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2015年12月10日 

■ スピーカー
Shafqat Islam(シャフカ・イズラム)、NewsCred社、CEO+Co-founder

■ イントロダクション
今日のカスタマージャーニーは継続的に進化し続け、マーケターは対象とする顧客にインパクトを与えながらリーチする方法を理解する必要がある。マーケターはカスタマージャーニーの過程で顧客の大半が興味を抱くコンテンツを提供することでより深いレベルで顧客にエンゲージできる機会がある。顧客がどこにいるのか、そしてどこでリーチするのが最もよいのか理解することで、マーケターは今までよりさらに大きなインパクトを顧客に与えられる。本セッションで得られる知識は以下の通り。

1. カスタマージャーニーがいかに進化してきたか。またいつどのように顧客にリーチすることがベストなのか
2. なぜコンテンツは、顧客がブランドにエンゲージすることを決める過程に最もインパクトを与えるのか
3. カスタマージャーニーにおいてのマーケティングの効果と、その過程におけるROIの改善方法

■ アジェンダ
1. 自己紹介
2. よいコンテンツはROIを改善する
3. 顧客に効果的に働きかけるための5つのレッスン
4. コンテンツジャーニーとはカスタマージャーニーである
5.「商品」とはあなたが売っているものではない
6. コンテンツは「あればよい」というものではない~「なければならない」必須のもの~

1. 自己紹介

  • ・イズラム氏の父親になる前の検索行動の紹介
    赤ちゃんが産まれてからどのように行動していけばよいのか、という情報を求めていたがなかなか見つからず、最後にいきついた情報がオムツ会社ハギーズのWebサイトHUGGIESだった。
  • ⇒家に赤ちゃんがきたときにやるべきチップスが掲載されていて、父親として行動する上でとても役に立った。HUGGIESのWebサイトはイズラム氏にとってベンダーではなく情報を得るリソースになった。
  • ★コンテンツはすべてのマーケティングをつなぐものである

2. よいコンテンツはROIを改善する

  • ・56%のユーザーが、金融サービス会社が有用なコンテンツを提供したとき、信用が築かれるということに同意。
    ⇒コンテンツは購入意思を高める最良の指針となりうる。検索よりも有用とさえ言えるだろう。

3. 顧客に効果的に働きかけるための5つのレッスン

  • ①マーケターが最も理解しておかなければならないことは、なぜ人々がソーシャルメディアでシェアをするのか、ということである
  • ②興味を抱く事柄というものは自分自身で決めるものなので、自分自身をユーザーに置き換えて考えてみよう。私たちは気にしている事柄においてのみフォローし、「いいね!」を押し、申し込んだりレコメンドしたりする。
  • ③私たちのアイデンティティは何をシェアしたか、ということによって決められる。68%の人々は、人となりや何に興味を持っているか他者に伝わるようなコンテンツをシェアする。
  • ④ではどんなコンテンツを人々はシェアするのか?
    ⇒シェアしやすいコンテンツ3つの形式
  • - カルチャー:自分自身よりも自分のアイデンティティを伝えてくれるもの
    例)職業、場所、セクシュアリティ、性別等
  • - オピニオン:既存の価値観を表すもの
    例)何が好きなのか、友達が何を好きなのか、議論の提供、謙虚を装った自慢
  • - エモーション:自分にある感情をもたらすもの(他の人にも同様に感じてほしい)
    例)インスピレーションを与える、嬉しい・悲しい、奇妙に感じる、ストレス解消
  • ⑤自分ごとに置き換えられるコンテンツ(例:左利きのためのバズフィードは多くの人が見たことがあるはずだ。なぜなら作成者が左利きの人にターゲティングしているから)

4. コンテンツジャーニーとはカスタマージャーニーである

  • ・BtoB、BtoCにおいて購入決定した場合のうち70%は、購入者が購買フェーズにたどり着く前に購入の意志を固めている。Webサイトを訪れる人のうち96%は、実際には購買する準備ができていない。
    ⇒購入意思が固まったとき、もう一度再訪しようと顧客に選んでもらう工夫をしておく必要がある。
  • ・数字が入っているコンテンツは上位表示される傾向があるという統計等を用いて、将来的なコンテンツ戦略を考えていくことが必要である。
  • ・リターゲティングする環境を整える。
    ⇒リターゲティングする際の材料が足りない状況。コンテンツがないといけない。
  • ・顧客についてどう考えていく?
    ⇒流入の半分はEメールから。Eメールは重要なソーシャルネットワークの1つである。
    ⇒顧客は誰で、彼らが何を欲しがっているのか知ること。
    ⇒ブランドの背後にいる人々を知る、彼らは誰なのか、どこで接触したのか、何が欲しいのか。
  • ⇒そしてそれらのトレンドがマーケティング戦略に何を教えてくれるのか。NewsCred社のアナリティクスエンジンは広告主のビジネスを動かすために必要な知識を与えてくれる。

5. 商品とはあなたが売っているものではない

  • ・一般的に人々は、企業の話や活動は覚えていない。覚えているのは、その時あなたがどう感じたのかということ。
    事例:Always(米P&G社の生理用品ブランド)
    動画“Always #LikeAGirl
    “like a girl(女の子のように)”というネガティブな意味の強いフレーズの再定義をして、女性の誇りを考えてみようと問う社会貢献キャンペーン。2015年のスーパーボウルのCMとして流れて、大きな反響を得た。
    ⇒つまり、究極的には商品とはあなたが考えているようなものではない。それ以上のものだ。

6. コンテンツは「あればよい」ものではない~「なければならない」必須のもの~

  • 例:
    Uber ⇒ 世界最大のタクシー会社だが、自社で車は所有していない。
    Facebook ⇒ 何もコンテンツを作ってないが世界的に有名なメディアである。
    Airbnb(エアビーアンドビー) ⇒ ホテルルームはないが、宿泊する施設を供給している世界最大級宿泊先予約サイトである。
  • ★形のある商品にだけ固執するべきではない。たとえば、Airbnb は部屋を売っているのではなく、旅行中の素晴らしい体験を提供しているのであり、その形のない「体験」こそが彼らの商品である

事例:Kodakの経営破綻
Kodakはアメリカのフィルム市場で90%のシェアを誇った会社。
それまでスタジオで行うものだった写真撮影を、一般家庭にもたらした。
写真についての教育・啓蒙を世界的に推し進めた。重要なことは、どのようにして世界規模で写真家や写真好きな世代を育てるのかということであり、実際に Kodak は母親をターゲットにしていた。家族旅行での写真や、体験の思い出をフィルムに残すことに需要があると判断したためだが、不幸にもやがて Kodak はその理念を忘れ、彼らの商品は写真家世代を育てることではなく、商品はフィルムであると認識するようになってしまった。やがてデジタル化の波に乗って成長戦略を立てた競合他社に遅れをとり、倒産に至る。

これらの事例から以下の二点が教訓としてあげられる。

  • ★商品とは「カスタマーエクスペリエンス」のことである
  • ★商品は世界に与えられる「価値」そのもの
    ⇒ナレッジ、コミュニティ、エンパワーメント、インスピレーション
    ⇒これらはビジネスに与える影響が大きい。

例えば以下の企業が顧客に価値を提供していると考えられる。

  • Bank of America ⇒ 誰でも閲覧可能な金融の教育サイトを作成した。
  • ・LinkedIn ⇒ Lynda.comという、ソフトウェア・テクノロジー・ビジネススキル等に関して、自社社員の教育だけでなく一般人の教育も兼ねているWebサイトを作成した。

執筆:株式会社アイレップ ソリューション統括本部 SEOグループ 石毛宏美
監修:株式会社アイレップ SEM総合研究所 所長 渡辺隆広

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