2016年SEO 検索キーワード選定とページ最適化の手法 今と昔
株式会社アイレップ SEM総合研究所 所長 渡辺隆広

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2016年02月12日 

検索キーワード単位ではなくて検索意図単位でターゲットを決めていく。Webページにキーワードを盛り込むという手順ではなくて、まず検索課題を解決するために必要な情報構成要件を決めていき、おのずと使用すべき(網羅すべき)言葉を決めていく。今日(今後)のGoogle はキーワードの有無ではなくてWebサイトが提供する価値や体験を評価しているので、それに合わせつつ、テクニカルに検索性の高いWebサイト構築・運営をしていくための手続きが必要となっている。

Google がコンテンツ品質評価をランキングに反映することを明確に打ち出したパンダアップデートが登場して今月(2016年2月)で丸5年を迎えようとしています。5年という時間を長く感じるか、短く感じるかは人それぞれだとは思いますが、こうした変化により生じているSEOのアプローチの変化については、まだまだWeb業界で十分に浸透していないと感じることが多々あります。さすがにインハウスSEO担当者が集うような、SEOが主たる業務の人々が集まる場であれば十分に認識されていると思いますが、世の中の人皆がネット検索業界やSEOの情報にキャッチアップできているわけではありません。たとえば2016年1月時点であれば、AMP ( Accelerated Mobile Pages:アンプ ) を知らない人のほうが多いと思います。

さて、書店やWeb、セミナーなどでSEOの情報を入手しても、それが必ずしも最新の事情を反映しているわけではありません。けれども、その接触したSEO情報が最新かどうか、その人には判断する術がありません。SEOの業界では、最新のトレンド自体は検索すると見つかるのですが、何がどう変わっているかという変化を俯瞰的に解説している文書は意外と少ないので、自分が得た情報の有効性を判断するのは、特にSEOに必ずしも多くの時間を費やせない担当者にとっては悩ましい課題の1つではないでしょうか。

今回は、昔と今を比較して、SEOがどのように変化しているのかについて、「検索キーワード選定」と「Webページの関係」を題材に解説します。

検索キーワード選定からWebページへのキーワード配置 今と昔

SEOでターゲットとする検索キーワードを選定し、自然検索結果に掲載させたいページ(Preferred Landing Page:PLP)決定したうえで、そのページへのキーワード最適化対策を施すというプロセスがあります(ありました)。これは20年の時間を経て、大きく変わった過程の1つだと思うのですが、要約すると次の図版のような変化を遂げていると思います。

※画像Clickで拡大
SEOの手法比較 今と昔

2000年代は、次のようなプロセスを経ていました──検索上位に表示させたいキーワードをツール等を使って探し出し、月間検索回数データを参照しながらターゲットとするキーワードを決定。そのキーワードがバランスよく盛り込まれるようにWebページに配置する──つまり、検索回数を軸にしたキーワードの選定と、その選定したキーワードをWebサイト内のいずれかのページに適切に割り当てていく、というような流れでSEOを考えていたはずです。Google が誕生して間もなく、キーワード出現率/頻度 (keyword frequency) やキーワード配置 (keyword prominence)といった要素は過去のものとなりましたが、それでもキーワード、あるいはそのターゲットと類似・関連するキーワードをどのように盛り込むのかという視点でWebページの最適化をするという流れで考えてきた人は多いと思います。

意図の集合単位で考えつつ、あらゆるキーワードを抽出する

これが上記図版の右側(現在のSEO 2011-)のように変わってきています。私はこれを「ユーザーの意図単位でまとめたバスケット単位で考える」と表現しているのですが、要は使用する検索キーワードは異なれど同じ目的で検索している人々、つまり同じ「意図」を持つクエリ同士を1つのグループ(かご=バスケット)にまとめて、そのグループ単位をまず作っていくということです。キーワード単位ではなく、意図の集合単位で考えていくと説明するとわかりやすいでしょうか。

たとえば格安スマホの販売ビジネスを例にとると、「格安スマホを購入したい」という意図のグループをまず想定して、その意図を反映している検索クエリをすべて洗い出していくということです。一方で、その意図グループに属する検索クエリの検索回数は厳密に考慮しません。つまり、ある意図がそのビジネスにとって重要であるならば、その意図を反映する検索クエリはすべて網羅する(※)ということです。

※意図を反映する検索クエリであるならば、トピックを網羅するために含めるべき、というトピックモデルの概念とも関係するのですが、話がややこしくなるので割愛

※全く検索回数が重要ではないということではないのですが、「キーワード単位ではなく意図の集合単位の総需要で物事を考える」とご理解ください

ユーザーの課題解決の観点からページに盛り込む情報を決定する

一方、Webページもページ単位ではなくて「課題解決」、つまり検索経由で来訪したユーザーがその情報に接触することで得ることになる「価値」(≒検索したきっかけとなる課題や悩みが解決するという意味でもある)は何なのか、それをベースに考えていくことが現在(2016年以降)のSEOのアプローチです。

ここでいう価値とは、たとえば「欲しかった回答が得られる」「新しい発見・知見を得られる」「態度変容が起きる」「購買意思決定が進む」といった、そのページに接触したことをきっかけに次のアクションが生まれるかどうかということです。

みなさんはオンラインで何か買い物をしようと商品の情報を探している時に、訪問したあるページで得られたことをきっかけに「お、こういう商品もあるんだ、こっちの方がいいかも」とか「スペック表のここも見ておかないといけないのか」といった具合に、いろいろなページを見ているうちに新しい発見や興味が生まれてまた検索を繰り返すという経験をしているに違いありません。何の価値もないページ(≒Google が評価したくないページ)というのは、そのページを見たけれどもそのまま得るものもなく帰りたくなるようなページとも言えます。ですから、キーワードをどこにどのように埋め込むのかを考える前に、まずページの構成や要件から入って、その過程で言及されるべき情報が決定しますし、それが決定すれば必然的に用いなければならない単語(≒検索クエリ)もおのずと決まることでしょう。

オールドスクールの欄に書いたように、キーワード単位で、それが含まれただけの文章を用意するというアプローチで施策を行っても、ユーザー行動も考慮する今日のGoogle のランキングアルゴリズムの前では何の意味も持ちません。

※Google やYahoo!が検索サービスのSSL暗号化を進めたことで検索クエリがWeb解析等を通じて参照できなくなることについて、私はよく「検索クエリが見えなくなること自体による影響は微々たるもの」と見解を述べていますが、理由は本記事の通りです。人の検索行動を知るうえでは見えないより見えたほうがもちろんいいに決まっているのですが、本記事で触れたような手順で考えていくと、別になくてもそれほど困らないんですね。


執筆:株式会社アイレップ SEM総合研究所 所長 渡辺隆広

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