Google キーワード プランナー、検索ボリュームの集計方法を変更

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2016年08月01日 

「Google キーワード プランナー」は広告出稿の検討や、検索市場の分析に非常に役立つツールです。

2016年6月末頃から、一部のキーワードでの検索ボリュームが、以前に保存していたデータと比べて大幅に変化する事象が発生しています。その原因と対策を解説します。

問題の事象

2016年6月末以降に取得したデータと、それ以前に取得したデータを比較すると、一部のキーワードで検索ボリュームが大幅に増加していることがあります。

「引越し 見積」の2016年4月の検索ボリュームを例にすると、2016年5月に取得したときの検索ボリュームは480でしたが、2016年7月に取得すると検索ボリュームは60,500に急増しています。同様の事象が多くのキーワードで発生しており、中には検索ボリュームが990倍になったものや、127,000も増加したものもあります。

アイレップ分析

当社でデータを分析したところ、表記ゆれのあるキーワードの集計方法に変更が見られました。

2016年5月時点では、「引っ越し」「引越」「引越し」のそれぞれについて、個別の検索ボリュームを表示していました。

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2016年5月時点のデータ

2016年7月時点では、表記ゆれの一部または全部について、同一の検索ボリュームを表示しています。

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2016年7月時点のデータ

先ほど例に挙げた「引越し 見積」の検索ボリュームも480から60,500に急増したわけではありません。「引越し 見積もり(検索ボリューム=40,500)」「引っ越し 見積もり(検索ボリューム=18,100)」などを合算して集計するようになったことが原因です。

Google の回答

この変更についてGoogle へ確認したところ「正式な仕様変更であり、元の集計方法に戻す予定はない」との回答でした。以下にGoogle との質疑応答を抜粋して公開します。

Q

2016年7月頃から、表記ゆれキーワードに対する検索ボリュームが同一になる事例が増加しています。

  • ①現在では一部の表記ゆれキーワードで、数値が合算されないことがある。今後は全てのクエリに対して、表記ゆれを統合した状態の検索ボリュームを表示するのか?
  • ②従来と同じ状態での検索ボリュームを取得する方法はあるのか?
A
  • ①キーワード プランナーの仕様変更があり、それによって「表記ゆれ」を含んだ数値が月間の平均検索ボリュームに反映する場合がある
  • ②現時点ではこの変更をロールバックする予定はない
  • ③以前と同じ集計方法での検索ボリュームを取得する方法も、現時点ではない。フィードバックが多いようなら、検討する

問題点

「データの不一致」「データの重複勘定」が発生することがあります。

特に分析・レポーティングの自動化を行っている場合は、検索数の増加や検索市場の拡大が「現状を反映した正確なもの」なのか「この変更による誤り」なのかを切り分ける必要があります。表記ゆれキーワードの処理方法を確認しましょう。

1: データの不一致が発生することがある

検索ボリュームを定期的に取得してローカル保存している場合、正しくないデータになってしまうことがあります。例えば、2か月ごとに検索ボリュームを取得・保存していると、以下のようなデータができます。

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Table 1, search volumes in May 2016

検索ボリュームが5月に急増しており、これらのキーワードの需要が高まっているように見えます。
もちろんこれは集計上の誤りであり、現状を正しく反映していません。上記の表を「変更前に取得したデータ(赤色セル)」と「変更後のデータ(緑色セル)」に塗り分ければ、一目瞭然です。

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Table 1, search volumes in May 2016

変更後の7月に取得したデータを見ると、「目黒区 引越」関連キーワードの需要はそれほど急激に動いておらず、それぞれの検索ボリュームがまとめられていることがわかります。

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Table 1, search volumes in May 2016

2: データを重複して勘定してしまうことがある

変更前は各表記ゆれの検索ボリュームは個別のものだったので、表記ゆれキーワード全体での需要を見たい場合はこちら側で処理する必要がありました。以下のデータは2016年5月に取得したものです。この場合、4月の「目黒 引越」系キーワードの需要は「20+10+30=60」になります。

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Table 1, search volumes in May 2016

しかし、同じ処理を現在のデータに行うとどうなるでしょう?

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Table 1, search volumes in May 2016

「目黒 引越」系キーワードの需要は「50+50+50=150」!当然ですが、間違いです。

対応方法

そこで、以下の対応をお勧めします。

  • ①現時点で取得できる検索ボリュームを正とする
  • ②2016年6月以前に保存した検索ボリュームは今後利用しない。過去の検索ボリュームが必要な場合は、改めてキーワード プランナーで取得する

また、レポート内に複数の表記ゆれキーワードが存在する場合、1つを残して排除することが必要になる場合があります。ExcelならCONCATENATE・IF・COUNTIF関数を組み合わせることで処理できます。

「引っ越し」「引越」「引越し」などの表記ゆれについて、個別の検索ボリュームが必要な場合にはGoogle にフィードバックを送信しましょう。

(執筆:広岡謙)

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