SEOが嫌い・誤解している人に知っておいてほしいこと

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2016年10月18日 

SEOが不要という人は、実際のところSEOの定義が(業界標準と)異なるだけで実際やっていることはSEOに適っていることがある。あるいは個人のセンスに依存させているだけで、組織(企業)としてSEOを推進するためにどうするべきかという視点が欠けているケースもある。このコラムは特に、SEOが苦手、SEOは不要と思っている人たちに読んでもらいたい。

期が変わると新卒・中途採用社員が増えたり、新たにSEO業務の担当になった方とお会いしたりすることも多く、そういった場面で「あー、そこ質問してくるか(笑)!」みたいなことも多いので、SEOの考え方について、よく誤解されていることについて簡単に書いておきます。

# 手法に対する個人的な好き嫌いと、業務における推進の是非は切り分けて考えてほしいところです。個人の好き嫌いを業務に持ち込むべきではないです。

例えばGoogle は「検索利用者に提供する体験や価値を高めることができるSEOであれば、歓迎する」(Matt Cutts、Google 、2004)といった意見を表明しているように、別にSEOは検索エンジン会社から忌み嫌われる存在なわけではありません。検索体験を高めることにつながる施策であれば(それは検索サービスの品質向上に貢献するから)歓迎ですし、検索体験を損なう行為(ゴミコンテンツを無理やり検索上位に押し込んでくる、など)は完全否定されます。

20年経っても本質が理解されないSEO

「普通にWebサイトを作っていれば、いいコンテンツを作っていれば、勝手に順位が上がるのにSEOなんて」「SEOをやるからゴミみたいなWebサイトが上位に上がってくるんだ、SEOなんてこの世に不要」といったSEOに否定的な意見は絶えません。SEOという手法に対する誤解の代表的な理由といえるでしょう。

こうした質問を受けた時、私は次の2点を指摘することでSEOの考え方を理解してもらうように努めています。

「良い」の価値観は人それぞれ

第1に、「良いコンテンツを作っていれば勝手に順位が上がる」という意見は、中高生に対してきちんと毎日勉強していれば東大なんて簡単に入れるよといっているのに等しいのではないでしょうか。つまり「良い」の概念やそれを実現するための手順は人によってまちまちなので、上記の意見で思考停止させていたら個人のセンスに委ねているに過ぎず、あまりに無責任でしょう。流入数など一切考慮する必要がないWebサイトならともかく、ビジネスで運営しているWebサイトの課題解決プロセスにおいて、どんな“良い”の価値観を持っているのか分からない人物や集団に任せておくことなどありえないのです。

SEOは検索アルゴリズムを逆手にとって検索順位を上げるというそれ単独で成立するテクニックではありません。SEOは検索利用者の体験を最大限高めるために、Webサイト運営側として何をすべきなのか、その考え方や手法、進め方を標準化・体系化して、それらを推進していくための方法論という意味で捉えて頂くと良いでしょう。

SEOをしなければ検索上位に表示されないという発想が間違い

第2に、「上位に表示されているWebサイトはSEOをしたから」という発想自体が間違いであるということです。この意見は、自然検索順位の決定に関わるすべての手がかり(シグナル)は、SEOの実行者によって完全制御できるものであるという前提に基づいていますが、それが誤りだからです。

今日の検索エンジンはWebの世界から様々なシグナルを抽出して自然検索順位を判断する際の参考にしていますが、SEO実行者のコントロール外にある、操作が不可能あるいは著しく困難なシグナルもあります。つまり、SEOを明示的に推進するものが誰も存在しないWebサイトであっても検索上位に表示されることは数多くあるということです。

SEOというのは、あくまで「マシンリーダブル」「機械による情報の理解・解釈・評価を促す」という結果を生み出すための技術に過ぎませんから、SEOという概念を知らなくとも結果的に(その人の社会通念がたまたま今日のGoogle の思想と一致していて)SEO的に優れたWebサイトが出来上がっているケースなど数多です。

よく「うちはSEOなどまったく考えていないけれども検索エンジンからの流入は多い」などとコメントしているインタビュー記事がありますが、そういったWebサイトを見るとSEOの技術的には優れているWebサイトであり、単にその幹部や経営陣はそういった行為のことをSEOと認識していなかっただけだったりします。つまり、その人の考えるSEOの定義が業界一般とは異なっており、単に「おれの定義のSEOは不要」と発言しているだけで、それの聞き手とコミュニケーションが成立していないということがざらにあります。

SEOという言葉がよくない?
~Search Engine OptimizationからSearch Experience Optimizationへ~

少なくともここ日本においては、今日のSEOの業務内容を「SEO」という言葉で表すことが適切ではなくなっていると思います。よく言われるように、SEO の「E」は「Engine」ではなくて「Experience(体験)」の意味合いが強いですし、S=SearchにはSearch Engine(検索エンジン)とSearch User(検索利用者)の二者の意味を含めて考えるべきです。

# こういったことはみんな考えていて、米国のスタートアップ企業見ていると新しい造語や概念を表すアルファベット3文字の言葉を提唱している会社さんもいるのですが、やはり定着せず「SEO」なんですね。

「検索エンジンに振り回されるのは嫌だ(だからSEO嫌い)」と考えている人の「SEO」は検索エンジンしか見ていないのではないでしょうか、その認識を変えてみてはいかがでしょう。確かに、検索エンジン(だけ)を見て行わなければいけない施策はありますが、多くは既存のオペレーションのなかにSEOの視点を組み込めばいいのであって、それはユーザーエクスペリエンス(UX)という概念のなかで処理すれば解決する課題でもあります。

(執筆:株式会社アイレップ SEM総合研究所 所長 渡辺隆広)

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