2007年検索エンジンマーケティング業界10大ニュース

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2007年12月04日 株式会社アイレップ発表

株式会社アイレップSEM総合研究所は、2007年の検索エンジンマーケティング(SEM)業界における10大ニュースを発表します。SEM専門企業アイレップならではの視点で選定をしました。

2007年も注目が集まったSEM業界

2007年もネットマーケティングの話題の中心となったSEMですが、今年も様々な変化が起き、企業の広告・マーケティング担当者をはじめ、多くの関係者にとって目が離せない1年となりました。「検索」という行為はますます日常化し、社会的にも大きな関心事となっていると言えます。

そこで今回、アイレップ SEM総合研究所では2007年のSEM市場における最重要な10大ニュースを選定しました。選定にあたっては日本のSEOの第一人者でもあるSEM総合研究所 所長の渡辺隆広を中心に討議を重ね、影響度の高いものを選定いたしました。また各々のトピックにつき、解説を付記しています。

2007年検索エンジンマーケティング業界10 大ニュース

  1. 新しい検索UIの登場 - Google Universal Search、Ask3Dなど
  2. オーバーチュア、新スポンサードサーチを開始
  3. Google、検索品質を低下させうる「有料リンク(Paid Links)」問題の対策に本腰
  4. 3強検索エンジン、検索品質改良に注力
  5. モバイル検索技術、競争が激化
  6. コンテンツ連動型広告サービスの展開が加速
  7. 動画検索エンジンが相次いで登場
  8. 検索サービスの撤退と参入多数 – infoseekサービス終了
  9. 検索各社、ネット広告領域で大型買収相次ぐ
  10. 経済産業省の情報大航海プロジェクトがスタート

1.新しい検索UIの登場 - Google Universal Search、Ask3Dなど

長きに渡り、一覧表示が主流だったウェブ検索結果の表示方法に変化の兆しがありました。Googleが発表した「Google Universal Search」、Ask.comが発表した「Ask3D」はそれぞれ、検索ボックス上部に設置された「検索タブ」を廃止し、検索キーワードに対して関連するWebドキュメントだけでなく、動画、画像、音声などキーワードに適合するデジタルコンテンツを一画面上に集めて表示するUIを採用、発表時には大変注目されました。検索キーワードのインテント(意図)を読み取り、個々のユーザに最適な検索結果を提供するという検索エンジンの進化の過程として、今後も斬新なものが登場すると予想されます。この動きは、企業にとってはWebドキュメント(HTML文書)のみだった最適化の対象が、画像や動画、音声、フィード、PDFといった企業が発信するデジタルコンテンツ全体に広がることを示唆しており、今後の自然検索対策(SEO)に影響を与えていくこととなるでしょう。

2.オーバーチュア、新スポンサードサーチを開始

米国で先行して導入されていた、オーバーチュア・スポンサードサーチの新版が日本国内でも始まりました。従来の入札価格を基準とした広告掲載順位が、品質インデックスによる指標への変更、地域ターゲティング機能の強化など、検索利用者により適切な広告メッセージを届けるための新機能が数多く搭載されました。広告の適合性が高まったことでより便利になった一方、システムの複雑化や従来のロジックが適用できなくなったことから、広告主やSEM広告代理店各社はこの新スポンサードサーチに対応するためのノウハウや知見の蓄積・活用が求められています。

3.Google、検索品質を低下させうる「有料リンク(Paid Links)」問題の対策に本腰

これまでウェブ検索 / SEO の世界において問題視されつつ具体的な対応が行われていなかった有料リンク(Paid Links)問題について、Googleが具体的な対応や世界中のサイト運営者に対して積極的な広報活動を行いました。PageRank売買を目的としたリンクについて明確に「NO」の見解を表明したほか、クチコミ広告として賛否両論あった実質上SEO目的のペイパーポスト広告への見解も明らかにしました。来年以降もアルゴリズムの改良で対応を強化していくことは確実で、SEOにおける有料リンクのあり方が問われる時がきています。

4.3強検索エンジン、検索品質改良に注力

今年はYahoo!、Google、Microsoft(Live Search)3社ともに検索品質改善に関連する、目立った動きがありました。Yahoo! は国内でもインデックス・ランキング更新の告知をブログで開始したほか、自然言語処理の改良といった日本国内をターゲットにした改良も実施し、個々のページのスコアが調整された結果、大きな検索結果順位の変動が何度も確認されました。ユーザにより高い検索体験を提供したいというYahoo!の姿勢がうかがえる一方で、原因が判明しない急激な順位下落が多数確認されるなど、一部の企業の頭を悩ませる現象もありました。グローバルで検索シェアの低迷で苦戦するMicrosoftは10月にLive Searchをバージョンアップ。初めて地域ごとにアルゴリズムを調整したことで、国内でも検索品質は飛躍的に高まりました。新規参入企業も増えているほか、Googleも国内市場での存在感を増しており、2008年以降も各社による検索技術の開発が進みそうです。

5.モバイル検索技術、競争が激化

今後の急成長が確実視される一方で技術的に未熟なモバイル検索市場において、今年は新規参入企業の登場やモバイル特有の事情を考慮した検索サービスが相次いで登場しました。ディー・エヌ・エー、KLabとCAモバイル、FASTと楽天、ムーターがそれぞれモバイル検索技術の開発やサービス提供の表明を行ったほか、GoogleとYahoo!はそれぞれ、米国で先行導入されていた、検索キーワードによって動的に検索結果を変えるモバイル検索サービスを日本に対応させました。GPSと連動したローカル検索も登場しており、来年以降もPCとは違う、モバイルユーザのニーズにあった新サービスが登場することが予想されます。企業側もこうしたサービスに対応していく必要があるでしょう。

6.コンテンツ連動型広告サービスの展開が加速

今年はコンテンツ連動型広告市場で主要プレーヤーの動きが激しい年でもありました。オーバーチュアはモバイル版コンテンツマッチでNTTデータと提携、モバイル版コンテンツマッチの提携サイトを拡大する一方、ヤフーは新興のブレイナーを子会社化。一方でバリューコマースの「マッチスマート」、アドウェイズの「アドコンマッチ」はサービスの終了を発表しました。また、同市場で国内最大手のGoogleはサイトターゲット広告の名称をプレースメントターゲット広告に変更、サイトのセクション単位や広告枠単位で配信制御を可能にするなど、広告主側の使い勝手を高めています。配信する広告もテキストからイメージ、動画コンテンツへと広がり、2008年もこの市場は各社の競争により拡大することが予想されます。

7.動画検索エンジンが相次いで登場

YouTube やニコニコ動画、アメーバビジョンなど国内の動画共有サイトの人気およびコンテンツの増加に伴い、動画コンテンツに対する検索ニーズも今後は需要が増すと予想されています。こうした中、米AOL子会社のTruveo、バンク・オブ・イノベーションのFoooooなど日本語を含む多言語対応の動画検索サービスを開始しました。SAGOOLと百度も動画検索機能を追加したほか、Ask.jpは動画共有サイトを立ち上げました。画像や動画コンテンツはWebドキュメントほど言語の問題が情報探索において問題にならないことが背景にあると思われます。動画検索は検索精度やインデクシング、解析における技術的問題は山積していますが、将来ニーズが高まる公算は高く、来年以降は企業側でも動画コンテンツの取り扱いについて検討を行う必要があるでしょう。

8.検索サービスの撤退と参入多数 – infoseekサービス終了

Google またはYahoo!以外のエンジンを利用した商用ウェブ検索サービスとして唯一生存していた楽天・インフォシークが提供していたinfoseekエンジンが、6月でサービス終了となりました。infoseek は、1990年代後半には国内を代表する検索エンジンの1つとして君臨し、その後も古いファンに愛用されていました。一方で今年参入した中国最大手検索エンジン・百度をはじめとしてYahoo!を頂点とした国内検索市場への新規参入を狙う会社もあります。

9.検索各社、ネット広告領域で大型買収相次ぐ

ネット広告領域で、検索各社による大型買収が相次ぎました。GoogleはDoubleClickを、MicrosoftはaQuantiveを、Yahoo!はRightMediaとBlueLithiumを買収。大手広告主やパブリッシャーを手にし、検索広告だけでなく一大オンライン広告ネットワークを築き広告ビジネスを強化しようとしています。ただし、ディスプレイ広告市場への参入の足がかりとしたGoogleについては市場独占やプライバシー問題に対する恐れから買収について懸念が表明されています。

10.経済産業省の情報大航海プロジェクトがスタート

今年から3年間にわたり実施される経済産業省が進める国産検索技術の開発「情報大航海プロジェクト」が動き始めました。今年はモデルサービス実施企業を公募し、7月25日時点で10社が選ばれています。「日本の産業の国際競争力を維持する」ための国としての政策が成果を出せるかどうかが注目されます。

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